ハローワークとは対照的に、大企業(IT業界、特にソフトハウスでは社員が100人もいれば十分大きい企業だと思います)からの求人が目立ちます。いわゆる大企業は面接にくる求職者に対しては既に選考がされている状態で1次面接を始めようとします。平たく言えば、あなたが人材バンクの担当者と話しているまさにその時、既に担当者はその大企業に紹介して良い人材なのかどうか判断しています。
民間企業の人材バンクは公的機関のハローワークとよく似ているように言われますが実は全然違います。両社の決定的な違いは企業側に費用が発生する事です。ですので人材バンクは企業側の要望に従い、企業側の人間として立ち求職者を選定します。もちろん求職者側に立つ担当者もいますが本質は料金を支払ってくれる企業側の為です。
企業側からすると人材バンクを使用する場合、その企業は求職者の為に数十万円から数百万円の費用を掛ける事になります。考え方によっては、有料の人材バンクに登録している企業はそれだけ真剣に人材募集をしているという事になります。また違った考え方としては、高額な料金を支払い人材バンクに登録できる企業は大企業しかないと言う見かたもできます。
有料の人材バンクに登録している企業は料金を支払っているので、人材バンクに対しストライクゾーンの「優良な人材」を求めてきます。当然ですね。ですので人材バンクに登録している求職者の内、企業のストライクゾーンに適合した「優良な求職者」は「優良な企業」とマッチングします。これも当然ですね。
ただここも一長一短があります。確かに「優良な求職者」であれば「優良な企業」と出会えるチャンスが格段に上がるでしょう。ですがそうでない場合はどうでしょう。企業は求職者の為に多額の料金を支払うわけですから、同じような能力の人材が例えばハローワークや自社ホームページから募集がきていれば、そちらからきた求職者の方を優先する事は間違いないでしょう。本当に優秀な人材であれば、有料機関からも無料機関からも両方共採用すると言う事はありえますが、そうでない場合はわざわざ両方共採用する事はないでしょう。
「求職者側」から見れば、ハローワークも人材バンクも「無料」なので、どちらでも就職できればいいやと思うかもしれません。ですが結果的には企業側の立場になって考える事の出来る人が「優良な人材」と言う事になりそうです。これは就職してからも同じ事が言えます。「どうせ同じ給与だから」や「どうせ待遇が変わらないのだから」と言う考え方ですと、どんどん居場所が狭くなっていきます。
自分にとってどうせ状況が変わらないのなら、自分の目当ての会社、あるいは自分の就職した会社が喜ぶような事をしてあげましょう。どんどん評価が高くなるはずです。「物は考えよう」と言います。ぜひあなたを取り巻く周りの部分にまで気を使い状況判断をしましょう。
世の中にはたくさんの求人情報や求人戦略があります。あなたがどの機関を使用しどのように就職するのかは自由なのです。ですが数ある機関のうち1つだけを選択するのではなく、全体的な戦略を立てて一番効果的な計画を実行する必要があると思います。ただ転職すると言っても、その目的企業にたどり着くまでにどのような機関を使用して行動するかによっても結果が全然違う事を知っておくとより良い結果を得る事が出来るかもしれません。